Never lasting lie
独りよがりな日記とKey系創作小説メインでゆっくりしたいあなたへ
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「Like a Snow」
リトルバスターズ! / シリアス [ 8470 byte ]
オールクリアのネタバレを含みます。



「リトバス×スノースマイル」シリーズ第2作。
とうたっておきながら、多分大してスノースマイルと関係なければ
前作「Select of なんとか」とも大して関係がない気がしないでもないです。というか90%以上関係ないです。
題名「Like a Snow」はいつかの記事どおり、某ゲーム「Like a なんとか」から語感だけいただいてます。
しかし本作とそのゲームは100%関係ありませんのでご注意願います。
あと本作は、小説など読みなれていない方が読まれると
話の構成上大変理解に苦しむことが予想されますので(というか普段からそうかもしれませんが
そのあたりはいろいろ脳内補完などしてお楽しみください。
そして「クドは俺の嫁」って言ってる人。または「真人とクドのカップリングこそ至高」とか思ってる人。
正直文中のクドの扱いが色々な意味でひどいので、その辺りは目をつぶってください。
同様に少しだけ出てるような気がする人もいますが、あまり細かいことを気にしてはいけません。
あと投稿時や文中の改行など、書式が毎回バラバラなことも気にしてはいけません。

後半はインフルの熱に魘されながら(?)書いているので
細かくないところで正しくない表現が隠されていない可能性が無きにしも非ず。
その辺り大人の対応を持ってお読みくださいませ。
つまり笑い飛ばせってことです。
でもシリアスな場面で笑い飛ばされると筆者の心も飛ばされそうです。ブロークンハートです。
つまり押さえ込めってことです。
因みにちょっち嘘です。


そして最後に、この話を読み終わったなら。
たまには外出などされてはいかがでしょうか。

・・・変な意味じゃなくて。


.
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※注意
この作品にはゲーム「リトルバスターズ!」に関するネタバレが含まれています。
ゲームをオールクリアしていない方が誤って閲覧してしまった場合でも
当方は一切の責任を追わないものとしますので
閲覧に関しては十分に気をつけて下さい。

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「雪が積もった道」というものは、人を詩的な気分にさせる。
例えば僕は今、こうして頭に浮かんだ稚拙な語を並べ立てては勝手に感傷的な気分に浸ってい
るし、きっと本を読んだり書いたりするのが好きな人も同じように、しかし純潔かどうかは定
かではないが、まあきっといろいろな妄想を膨らませてはその綺麗に整った顔を歪めたり緩め
たりしながら、僕らには到底理解できないようなめくるめく禁断の花園へと旅立って行ったり
戻ってきたりを繰り返しながら、今日も平和に鼻血を垂れ流したり同人誌即売会に足を運んだ
りしているだろうが、結局のところ今の話は全て僕の妄想であるわけで、実際には炬燵に足を
突っ込んでぬくぬくと冬を乗り切ろうとしているのかもしれないし、普通に買い物に出かけな
がら今晩のおかずをどうするか考えているのかもしれない。
真相は闇の中だが、独身女性の日常生活をあれこれ詮索するのはあまりよろしいことではない
と思うので、じゃあ逆に独身男性の日常生活を夢想してみるのも一興かと思ったが、そんな気
味が悪いことを一瞬でも思いついてしまった自分に激しく自己嫌悪しながらのたうちまわるこ
とにより、不毛な思考をごみ箱に捨ててそのままシャットダウンさせた。実にくだらない思考
で時間を浪費してしまったが仕方がない。
だいたい、こんな寒い季節に道のど真ん中で勝手に妄想し始めるから、こんなわけのわからな
いことになるのだ。
僕には帰る家がある。こんなに嬉しいことはない。
僕は酔っ払った酔っ払いのような、覚束ないふらふらの千鳥足で家路を闊歩した。





視界が歪む。頭が痛い。吐き気がする。
久しぶりに味わう感覚。
僕はまた『あそこ』にいた。
油のにおいと焦げ臭いにおいが同時に襲ってきて、また僕は地に這い蹲った。
もうまともに吐ける胃液も残ってなどいない。
そんな無様な僕を嘲笑う者たちさえ炎の向こう側に消えた。





     *     *     *





「なんだ、おまえ酔ってるのか」
自己主張が激しい最近の電話を耳に押し付けたら、第一声がこれだった。
きっと鈴は、僕のことをいつもストーキングして陰から監視しているのだろう。そうでなけれ
ば僕が酔ってるかどうかなんてわかるはずがない。
「べ、べつに酔ってるわけじゃないんだからねッ! 勘違いしないでよねッ!」
「……きしょいぞ」
ひどい言われようだった。一体僕が何をしたって言うんだ。
「いやらしい目であたしを見た。いやらしい手であたしを触った。いやらしい手つ」
「うんもういいから」
一気に意識が覚醒する感覚。これもまた久しぶりの感覚。

「……で、用件は?」
落ち着きを取り戻した僕は、冷静にこう問うた。
「ああ、そのことなんだがな、理樹。あんまり驚かないでくれよ」
鈴はそう前置きをしてから、こう続けた。
「今度クドが結婚するらしい」
「へぇ……」
確かになかなか衝撃的な話だった。
「ええええええええええええええええええ!!」
「……いきなり何?」
「おまえがあまりにも驚かないから、あたしが代わりに驚いてやった」
「あんまり驚かないでくれって言ったの鈴だよね」
「そこはあれだろ、言葉のあやっていう」
「そう……」
なんかこう、ホッとした。
みんなが少しずつ変わっていく中でも、鈴はいつまでも昔のままだった。
「で、相手は? 僕が知ってる人?」
「ああ、そのことなんだがな、理樹。あんまり驚かないでくれよ」
鈴はさっきの台詞をそのままそっくり言ってから、こう続けた。
「真人だ」
「へぇ……」
内心かなり動揺しながら、ああやっぱりそうかとも思っている僕がいた。学生の頃から、なに
かと息が合い、親しかった二人。当然といえば当然の顛末に、今更何を驚くことがあるのだろ
うか。
「ええええええええええええええええええ!!」
「……今度は何さ」
「おまえがあまりにも驚かないから、あたしが代わりに驚いてやった」
「あんまり驚かないでくれって言ったの鈴だよね」
「そこはあれだろ、言葉のあやっていう」
「そう……」



「で、プロポーズしたのはどっちなの?」
「知らん」
鈴の口ぶりからいろいろと察して突っ込んだ話題に切り込んでみたのだが、鈴は何故か逆に不
機嫌になってしまったようだ。
「あー……うんまあ、二人には後でおめでとうって言っておこうかな」
「そうだな」
鈴は結局、なんでこんなことで電話してきたのだろうか。黙っていても二人から連絡があるだ
ろうし、仮になかったとしてもわざわざ鈴が連絡する必要はないだろうと思う。
「おまえとは違って、あたしはクドの友達だからだ」
間違いなく結婚云々の話より衝撃的な発言だった。
「僕もクドと友達だと思ったんだけど……」
「……」
耳に当てた受話器の中から、とても嫌な感じのオーラが漂ってくるのを感じた。どうやら僕は
また知らず知らずのうちに地雷を踏んづけていたらしい。
「え、えーっとえーっと……よ、用件はこれだけ? もう切ってもいい?」
「しねばーか」
「……」
「とレノンが言ってる」
「そう……」
鈴が喋ったことを猫に擦り付けるのも昔のままだった。
本当に猫が好きなら、レノンが可哀想だと思わないのだろうか。



……え?

……レノン?



「…………」
「ほんっとに……おい理樹、聞いてるのか?」
「…………」
「理樹? ……理樹! 聞こえてるのか!? 返事しろ! 理樹!!」





視界が歪む。頭が痛い。吐き気がする。
幽かにたゆたう漆黒の底から呼ぶ声。
僕を誘うのは天使なのか悪魔なのか。
また闇の世界へ。
地獄の淵から堕ちる音が――





     *     *     *





「…………」

冷たい。
そのくせふわふわとした肌触り。
触れようと手を伸ばすと、とたんに逃げてしまうその身体に、僕は自ら抱かれている。
凍えるような寒さも気にならず、また怯えるような暗さもどこ吹く風。
世界には僕独り。視界には君独り。

ねえ……きみはだれ?
どうしてぼくのとなりにいてくれるの?
どうしてきみはつめたいの?

僕にくれるその温もりを、全て自分の内に秘めたなら。
君はきっと溶けてなくなり、僕は一切を失うだろう。
だから君はずっと冷たいままで。
僕もずっと冷たくあろう。





「理樹……」
「ん……」
僕を呼んだのは天使でも悪魔でもなく、ただひとりの少女だった。
「あれ……また寝ちゃったのかな」
「おまえ、ホントに昔から変わってないな」
「それは鈴にだけは言われたくないよ」
「それはあたしを馬鹿にしてるのか?」
「いやいや……」
「じゃあなんだ」
「なんでもないよ」
きっと今までのことは全て夢で、今生きているこここそが現実なんだろう。
僕はかぶりを振った。
なんでこんな当たり前のことに頭を使っているのだろうか。
僕が見つめているものこそが現実。そこに何の疑問も挟む余地なんてないはずだ。

じゃあ、このふわふわ浮いているものはなに?



思考にもやが掛かる。視界が歪む。
頭が痛くなければ吐き気もしないこの世界で、僕はこれ以上何を望むというのだろうか。
ゆったりと光たゆたうこの情景に、僕は何故か懐かしさを感じていた。





     *     *     *





「……え?」

気づいた時には、僕は病院のベットにいた。
「……気付いたか」
椅子に腰掛け、ぎこちない笑みを浮かべているのは鈴。
「……あれ?」
おかしい。さっきもこんな感覚を味わった気がする。
「どうした?」
「いや……」
こういう感覚をデジャヴュと言うらしい。いわゆる「既視感」という奴だ。
「おまえ、もう少し寝てろ。先生呼んでくる」
そういって駆け出していく鈴の姿にも、やっぱり既視感を抱いた。





「……ねぇ」
「……ねぇってば」
「ん……」
自分でも知らないうちに寝てしまっていたようだった。
誰かに呼ばれた気がして、起き上がる。
しかしどれだけ目を擦ろうとも、声の主が見えない。
「私はそこにはいないよ」
「なら、どこから話しかけてるのさ」
「……外を見て」
カーテンを開ける。
そこには見慣れた景色しかない。
「どこにいるのさ」
「私は私。あなたの視界一面に存在するわ」
見えるのは相変わらずの寒空。それに相変わらずの雪の絨毯。
僕は何故か、半ば確信を持ってこう問うた。
「……君は……雪なのか?」
「イエスとも言えるし、ノーとも言えるわね」
不思議な話だ。雪が喋るわけがない。
「私は私。それでありながらあなたなのよ」
「随分と詩的だね」
意味はわからない。おちょくっているようにも取れるその言葉に、僕は何故か不快を感じなか
った。

「約束を確かめに来たのよ」
彼女は唐突に言った。
「約束?」
「……覚えてない?」
彼女は悲しそうな声を出した。しかし残念ながら、そんなものを僕は知らない。
「私は覚えてるわ。あなたと交わした言葉のひとつひとつまで」
僕は彼女にかけるべき言葉を探したけど、結局気の利いた言葉ひとつ浮かばなかった。
「あなたと私は『ひとつ』なの」
「ひとつ?」
「そう」
彼女もまた、言葉を探しながら喋っていた。
「だから、それを確かめたかった」
「……待って。ひとつってなにさ」
「それは……」
彼女に身体があるのなら、きっと目を伏せ己を抱きしめているに違いない。
そんな彼女を、僕はどうしたら解放してあげられるのだろうか。
……いや。
「解放してあげる」なんて、どうして言えようか。おこがましいにも程がある。
「……きっと」
「え?」
「きっと思い出すと思う。それは君の事だけじゃないだろうけどさ」
「…………」
彼女はしばらく黙った。
姿が見えないということが、ここまでコミュニケーションに障害を生むとは思ってもみなかっ
た。
「……そうね」
彼女はそう言って微笑んだ。
姿が見えたわけじゃない。
でもこれだけは確信を持って言える。
何故なら僕と彼女は『ひとつ』。



どれだけ互いに愛し合おうとも、どれだけ願い望もうとも、叶わないことがある。
それはどんな極小のノイズも存在しない完全。
精神的のみならず、物理的にも距離が存在しないゼロ距離。
僕と彼女は、確かにそこにいた。







     *     *     *







誰もが彼女を愛し、そしてまた彼女は誰もを愛す。
誰より孤高で、そして誰より薄命な小さき輝き。
その短い生涯の中で、彼女が数え切れない温もりを抱きしめるなら。
夢幻が現実になるその刹那、伴侶を連れて人知れず。
次なる虚構へ静かに消えてゆくもまた、ひとつの彼女の定めと謳う。

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